0人が本棚に入れています
本棚に追加
それからも彼女との会話は続いた。
会話といっても私は相槌を打っただけなのだが、果たしてこれが会話といえる物なのか、コミュ障でぼっちの私にはわからない。きっと永久に。
「次の方どうぞ」
「私の番だ!じゃあ、また後でね」
またね、と手を振って前に進む彼女。そして、それを精一杯の笑で見送る私。きっと明日は、表情筋が筋肉痛に苛まれるだろう。
「ふぅ……」
彼女は強敵だった。
私の精神力がガリガリと削られたのだから。
これがコミュ力!
これが女子力!!
これがリア充!!!
……恐ろしい。
コミュ障でぼっc……じゃなくて、孤高な戦士を志す私には天敵だった。
出来ればもう巡り会いたくない相手だ。
「はい、じゃあ、次の方どうぞ」
そしてその後、特に何も起こることなく適性検査は終わった。
きっと、ヒーローの素質を持つ人は「血の色が青だと!?」とか、水晶に手をかざすと「目が目がぁぁぁぁぁぁぁぁ」となってしまう程の光が溢れるのだろう。
そもそも、素質を持っている者は学校に1人いるか居ないか。県で2、3人の超低確率なのだ。
まぁ、こんな田舎に素質を持つ人なんていないでしょう。それに私、ぼっちだし、コミュ障だし……。
こんな女がなれるわけが無い。
最初のコメントを投稿しよう!