第1章

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1年生は誰も髪を染めてる奴などいない。 そりゃ、憧れの学園に入れたのだから、最初から先輩に喧嘩を売るバカな奴などいないだろう。 私は生涯、黒髪を貫き通そう。 黒髪バンザーイ。 そして、先輩方には近寄らない、喋らない、目を合わせない。 だって、怖いのだもの。 金、銀、赤髪の派手やかな人達が怖いのだもの。 見た目だけで判断しちゃう人なんだもの! どれだけ中身が良くとも、見た目が怖けりゃ、近づくことすらできないチキンなんだもの! だから、近寄らない、喋らない、目を合わせない。の、三拍子揃えましょう。 よし、同級生とは仲良くしよう。 今までみたいな感じで。 今までみたいに……あれ? 今までみたい……あれれ? あれ、私って……。 人に近寄れない、人と喋れない、人と目を合わせられない。 ……これ、何も変わらないじゃん。 あ、なるほど。今までどうりぼっちでいろと言うわけですね。わかります。 まぁ、アルナイル学園に入っただけで将来安泰みたいなもんだし。 友達なんて出来なくても、生きていけるし、生きていけるし、…生きて、いけるし、生きて……。 まぁ、ようするに。 ぼっち万歳というわけですね。 あははは。
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