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牧岡自身は、この女の後ろをついて走っている。
俺の目線は牧岡の目線と同じだから、今走っているこの女に牧岡の意識が入っているのではない。
牧岡は女側か?
牧岡も、男たちから逃げているようだ。
ついに竹藪を抜けると、目の前には灰色の空が広がった。
道はない。
眼下には真っ黒な穴。
穴、という言い方が正しいのか?
森も、村も、何ひとつない、真っ黒な状態。
想像の切れ目?
牧岡の脳は、助かる道をイメージできなかったのか。
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