1、夢見る少年①

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 牧岡自身は、この女の後ろをついて走っている。  俺の目線は牧岡の目線と同じだから、今走っているこの女に牧岡の意識が入っているのではない。  牧岡は女側か?  牧岡も、男たちから逃げているようだ。  ついに竹藪を抜けると、目の前には灰色の空が広がった。  道はない。  眼下には真っ黒な穴。  穴、という言い方が正しいのか?  森も、村も、何ひとつない、真っ黒な状態。  想像の切れ目?  牧岡の脳は、助かる道をイメージできなかったのか。
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