ネゴトシエーター

１、夢見る少年①

　俺は気分が悪くなって、牧岡の夢を覗くことを止めた。

　ううん、スリリング。

　実生活と比べたら言うまでもないし、ゲームや漫画では味わえない感覚。

「……じゃあ、次回までに58ページまで予習しておくこと」

　あ～あ、また授業聞いてなかった。

　ま、いいか。

　チャイムが鳴り、数学の教師が教室を出て行った。

　隣の席に座っている屋敷心美（やしき　ここみ）の二の腕をつつく。

　このふにふにした感じがたまらん。

「なによ～」

　うっとおしげに俺を見てくる、心美の切れ長の目もたまらん。

　ツンツンした感じの女子って可愛いよなあ。