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少し荒っぽいくらいにキスに眩暈がする。
後ろから抱き締められまま、振り返るようにして、無理がある体勢も手伝って、深いキスに溢れた唾液が顎を濡らしていくのがわかる。
「ン、んくっ……ふぁ」
角度を変える時にできる隙間で息を吸い込むけれど、またその隙間はすぐになくなってしまう。
クラクラする。
呼吸が乱れて、身体の内側から溢れるみたいに体温が上がって、一気に部屋の空気が変わる。
熱くて、甘くて、おかしくなりそう。
「お前、キスだけで、そんな顔すんの反則だぞ」
「そ、んなの、わかんないよ、俺、今、どんな、あっ! あぁぁっ」
唇が離れて、乱れた呼吸の中、途切れ途切れに言葉にしたけれど、それも中断されてしまった。
首筋にいきなり強い刺激が与えられて、ヒクンと身体が反った。
「あ、やぁ……ン」
きっと、うなじ、首の後ろの辺りに赤く漣の唇の痕がついた。
それが嬉しくて、気持ちが良くて、今度は深く漣にもたれかかろうとした。
その瞬間
服越しに乳首を抓られて、また背中がつれる。
「や、ぁ、ン、ダメっ漣」
気持ち良くて、涙が滲む。ずっと、欲しかったものが一気に身体に流れ込んでくるから、もうわけがわからない。
このままじゃ、まだ服一枚乱れていないのに、なんか、達してしまいそうで
「恥ずかしいよぉ」
「恥ずかしがってるお前も可愛い」
ぎゅっと後ろから抱き締められて、身体がゾクリと震えた。
お尻に
触れる
硬いもの。
「あ、あの」
「なんか、お前、昨日よりも色っぽくないか?」
だって、稽古場でこんなことできない。
それでなくてもヒロとレン、その関係をちゃんと演じなくちゃ、俺は漣のところへ帰れないし、漣の隣を独占できなくなってしまう。
「色っぽい? 触りたくなる?」
ずっと
もっとたくさん
触って欲しくて仕方がなかった。
俺の最大限甘えた声に、漣が苦しそうだけれど、ものすごくカッコいい顔で怒っていた。
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