第1章

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「でも、 白津先生は、茶道部員じゃ?」 「私ね、綾乃より、2つ上なの。習字教室が終わった後、いつも、夜遅くまで先生と残ってた綾乃と仲良くなったわ。家に帰っても誰もいないって寂しそうだったから、茶道部に誘ったわ。そしたら、友達連れて遊びにくるようになって、部員全員で名前をつけたの遊客さんって」 「でも、今、遊客さんは、白津先生だって」 「卒業してからは、私が遊客さんになったの。」 「なるほど…」 「綾乃は、私の大切な人。誰にも渡したくはなかったのに…あっさり持ってかれたのよ。貴方のお父さんに」 「えっ?」 「あんなに愛してたのに。」 「…母は、受け入れたんですか?」 「綾乃から告ってきたのよ。 」 笑いながらいう 言葉に、理解しきれない頭をフル回転させた。 「あの…付き合ってたんですか?」 「4年ぐらいかしら理解できない?」 「女どうしで…」 「この世には男と女しかいないのよ。女通しだって愛してあえるわ。それにあの茶室の遊客さんは、部員と、秘密を抱えてた。まぁ暗黙の了解ってやつよ」 「理解できません。」 「子供には、無理よ。」 ふわりと頭を撫でられた。 授業の終わりを告げるチャイムがなる。 「伝えてくれてありがとう。」 「母の最後の言葉ですから。」 「戻りなさい。教室に」 「失礼します。」
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