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でも、次に降りかかってきた言葉は正反対で。
「いや? 応援してるつもりもあんまない。」
「……なにそれ。」
意味が分からない悠也を薄目で見つめる。
「つーまーり。神頼みなんてしてねぇで、さっさと告って振られてこいってこと。」
「えーっ!! ひっど! 振られるの前提じゃん!! そもそも告るチャンスもないよ、大体いつも誰かと一緒だし。」
…あ。
図書室……。
先輩が、1人で訪れることのある場所。
あたしはそこで、先輩に堕ちたんだった。
「チャンスなんてボケっとしてたら来ねーよ。自分から捕まえに行かねーと。」
「……悠也のくせにマトモなこと偉そーに言わないでよ。」
「うっせー。お前のが偉そーだっつの。」
ふん、と鼻息荒く答えながらも、口は笑っている。
告白…
あたし、何度か見てる。
先輩が女の子に告られてるシーン。
でもその何度かのうち、告白を受け入れたところは見たことがなかった。
直感的にだけど、
先輩には好きな人がいるんだって思った。付き合ってるかどうかは分からないけど。
それでも。
『好き』って想いを相手に伝えることで、
たとえ振られても、気持ちを昇華することは出来るのかな。
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