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実際、あまりに気まずくて、父とは暫くあまり顔を合わせないようにしてた。
だけど、あまり親戚づきあいも無く(恐らく件の先輩との件があって)母を失ったばかり。
親子二人、支え合って行かなくちゃいけない。
過去は、過去。
そう思って私は自ら父に歩みよった……のが、間違いだったかもしんない。
「あのさ、父さん…あんまり勝手な事言わないでね。さてと、ご飯にしよう」
死んじゃった母さんに恨みは無いけど、この父と二人でこの世に残されたのだけは恨んでいいでしょうか。
話は終わりと立ち上がった私に、父は尚も続けた。
「付き合ってる人がいないなら会ってみないか?どっちにしてもすごくお世話になった人だし…」
「二人で会いなよ。別に母さんは居ないんだし、父さんとその人がやっぱり付き合うってなっても別に好きにしたらいいよ」
「か、彼は確かに離婚したらしいけど…お互い今更そんな気は無いよ。ただ、きっと子供同士も良い友人になれるだろうし」
「男友達なんて間に合ってます」
「優~…」
泣きつく父を放って、私はキッチンへと引っ込んだのだった。
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