侍女の事情と姫

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「入られよ。」 丁寧にお辞儀をすると、ゆっくりと書籍の積まれた牛一の部屋に入った。 「牛一様、ご相談があり、参りました。」 「子を授かるコツなどはわしにではなく、お館様に直接質問されよ、ワハハ」 「まあ、なんでもご存じで。 はい、最近は、睦まじく過ごさせてもらっております。」 「強くなられた。」 牛一のこのひとことは、あの縁側の一件を知っているからであろう。
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