恐竜の卵

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ちょっとした、きっかけで、総合病院の清掃のバイトを見つけた。 僕は、その日、いつものように、院内薬局の中に、ゴミ集めに入ったんだ。 フッと、目がいった、ゴミ箱の横手にある小さなテーブル。 そこに、そいつは、乗っていた。 「なんだ?これ?」 大きめのマグカップぐらいのプラ容器の真ん中に、捧げ持たれてるみたいに、鎮座している物がある。 楕円形のそれは、白と黒と灰色が散りばめられた表面で、石ころにしか見えない。 「あのう…これなんですか?」 近くにいた薬剤師のお姉さんに聞いてみた。 「さあ?…なんか、製薬会社の人が、置いていったのよ。 なんか、育てかたみたいなの付いてたから、その通りにしてみてるだけなんだよ。」 「手に取って、見てもいいですか?」 「いつでも、見てくれていいわよ。」 「ありがとうございます。」 僕は、まじまじと、そいつを手にとって眺めてみた。
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