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「気にしないでね。こいつ怒ってるわけじゃなくていつもこんな感じだから」 サツキさんの謎のフォロー。あ、やっぱりこんな感じなのか...... 金髪の男はチッと舌打ちすると僕をひと睨みしてライブハウスの中に戻って行った。サツキさんはやれやれと言った感じで首をすくめている。一瞬九州に帰りたくなった。 まぁ、そういうわけにもいかないので僕はキャリーバッグを前に置いて、まだヒクついた喉から声を絞り出す。 「あの......今日からお世話になります伏見マキです」 そう言って頭を下げる。必要以上に下げすぎたかもしれない。腰から90度曲がった。 サツキさんは少し思案顔をしたのち、僕の足元のキャリーバッグを見てなるほどと納得顏になった。 「新しいバイトさんだね!」 違う! 確かにそう考えるのが自然かもしれないけどっ。 と、僕が否定する間も無くサツキさんはにこやかに話を進め出した。 「高校生さんかな? 今オーナーは出かけてるから、中のスタッフさんたちに声を掛けるといいよ」 オーナーというのは恐らく僕の叔父のことだろう。 「え......と」 「あ、僕は灰谷サツキ。サツキって呼べばいいよ。キミはマキくんでいいかな?」 「は、はい」
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