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 養成高校は人里離れた山中にあるので、星空は美しかった。普段は疲れと勉強で夜空を見る余裕などないけれど、改めて秋の空を見あげると星の数と明るさに圧倒される。天の川は淡い光の帯となって、空を結んでいる。 「あー、すげえロマンチックだな」  クニが物干し台の板敷に寝そべっていった。 「星もきれいだけど、ここには男女4人ずついるんだぞ。合コンみたいじゃないか」  ごつい体型の曽我清子(そがきよこ)がどしんと、クニの顔の近くに草履(ぞうり)ばきの足を落した。 「あんたなんか人数のうちにいらないよ」 「おっかねえな。こっちだって、柔道おたくの怪力女なんか、端(はな)から圏外だって」 物干し台は十六畳ほどの広さがあり、男子の柔道着が一列に干(ほ)されていた。夜目にもぼろぼろで、鍛錬の厳しさがうかがえる。
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