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ざる:
打ち消しの助動詞「ず」の連体形。直後下句「年」を修飾する文節を成す。
一方で、「縁」の後に「ぞ」等の係助詞が省略された係り結びによる連体形、即ち事実上の終止形、とも見做されたし。現代でも助詞の省略は格助詞を中心にしばしばされ、また古代口語には感嘆のあまり連体形で擬終止するという習慣もあることから、強ち強引不自然なばかりでもあるまい。既に完了し過ぎ去った過去と、直後に控えやって来る未来の狭間、今まさに在る現在が連ね重ねられていく様を係り結びの強意・詠嘆と共に表す、とする解釈も可能ではなかろうか。
年:
とし。ここでは新・旧暦不問で「新年」を指すものとする。即ち、新たに重ねられていく歳月が「日々」よりも大きな単位「年」として収束し表されたもの。
陳腐だが「壽し」との掛詞を成すとし、漠然としながらしかし大きな何かに対峙して挑んでいく者が自らに予め与える祝福も含意する、と解釈すべし。
明-け+む:
「む」により未来を表す。「明けるだろう」・「改まって(革まって)いく」等の意。
転じて、「運命・宿命(即ち因縁)」等も含めた「希望」を象徴する、と解釈しても好い。
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