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〈宇野side〉
千晃…?
男苦手やん…!!
あたしの方が苦手だと思うけど…。
いつのまにか與って人と仲良く話してるし。。
ここにいる必要はないと思い屋上を出た。
男子と関わるのは久し振りであの事を思い出した。
宇「…。ぅっ…。」
急に涙が出てきた。
あの日以来涙を流さないって決めたのに…!
その場でうずくまった。
そのとたん、頭に手の感触を覚えた。
顔を上げると與と一緒にいた人だった。
西「宇野さん…?」
あたしはすぐに涙を拭き取った。
何事もなかったように螺旋階段降り始めた。
西「ちょっと!」
急に腕を捕まれ上に引かれる。
バランスを崩したかと思えば腰に腕を回され体は腕にもたれた。
2段ほど高い位置にいる彼から上から目線で見つめられ顔が赤くなっていくのがわかった。
西「なんで泣いてんの?」
宇「なんでもない…。」
西「嘘つくなら…。」
そう言うと、彼は顔を近づけてあと少しで唇と唇が重なる位近づけてきた。
西「キスするよ?」
宇「出来ない癖に…。」
西「出来るよ?」
宇「しなくていいです。」
西「じゃあ、理由教えて?」
参ったと思った。
宇「分かったから態勢戻して?」
この距離に耐えきれなくなりつい了承してしまった。
困っているあたしに対し彼は満足感たっぷりで見てくる。
宇「思い出して泣いてたの。」
西「その思い出したことを教えてよ。」
宇「いつか……。」
西「じゃあ、これから一緒にいよ…。」
螺旋階段の段に座っていた彼はいきなり立ち上がりあたしに手を差しのばしてきた。
人指し指だけ出すとその指だけ握られた。
西「意外と奥手…。」
宇「え…?」
西「男投げ飛ばしたのに。女の子じゃん。」
宇「君も投げ飛ばそっか?」
西「大丈夫っす。君じゃなくてにっしー!だよ。」
宇「気が向いたら。」
西「よろしくね。宇野ちゃん。」
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