高校1年 秋

10/15
前へ
/32ページ
次へ
 公園の入口。  その向こうには公園のシンボルである大きな銀杏の木が見える。  丁度綺麗に色付いて、公園は美しい金色一色。 「うわぁ、なんか凄い……キレイ」  私がそう言って立ち止まると、浩介が突然私の手首を掴んで後ろに引っ張った。 「蒼葉」 「えっ?」  そう呟いて振り向いた瞬間、 「浩介ーッ。ここ、ここ」 って声が公園の中から聞こえた。  大きな銀杏の木の下には、こちらに向かって大きく手を振る野辺工の制服を来た男の子。  驚いたように浩介を見る。  近付いて来る、浩介の友達らしき男の子。  私……この人、知ってる。
/32ページ

最初のコメントを投稿しよう!

49人が本棚に入れています
本棚に追加