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奴は野球やってたなんて知らんはず。もし経験者と踏んでも長くマウンドから退いていたのは確定的に明らかと思っているはず。
ならば調子を見るために1球外すと踏む。通常の思考回路ならば。
つまり奴の狙いは外角!妙なアウトスタンスから思いっきり踏み込んでくるはず!
いいだろうでっていう。お前のリード、信じてやる。
デッドボールはノーカンで。殺すつもりで行くぜ!
ええい、南無三!
ガキン
ドヨッ
あっ、危ねぇ!!
外角に投げてたらイカれてた。
なんとかファールに出来たが、コースは甘かった。でっていうの要求よりもけっこう真ん中に寄ってしまった。
だが、まあそれほど衰えちゃいない。
彡(=+)(=+)「エエ球放るやんけ」
「お前こそ助っ人外国人みてぇなガタイしやがって内角と外角を振り分けてくるとは。油断ならねぇ」
あの野郎、パワーヒッターと見せかけて技巧派か?
いや、あのスイングはホームランを狙うそれだった。
厄介な……
二級目は……外角低め、クサイ所を攻めるのか。
マジで要求どうりに投げるのムズい。
よし、やるか。
よし、今度は球速はないけどコース完璧!
「ボールっス」
いい選球眼しとるやんけ。俺なら絶対振って詰まってたな。
「タイム!」
でっていう?
「変化球投げれるか?」
「昔はなんちゃってカーブ投げれてが今は無理だな」
「よし、なら緩急つけてくぞ。サインはこれな」
「分かった。でもお前えらい流暢に話すのな」
「……でっていうwwwwwwwwww」
意味がわからないよ。
彡(=+)(=+)「なんや作戦会議は終わりか?」
「お前を三振にとる方針は決定だな。精々粘れや」
次は内角内側高め。よしきた。とことんクサイ所に投げるんだな。緩急も意識せずストレート。
「ふん!」
ヤバ、内側にいかない、これじゃ只の高め……!
ブン!
「ストラーイク!ストライクツーっス!」
「ヒューッ!」
彡()()「」
よし、追い込んだ。正直キモが冷えたが結果が全てよ!
しかし恐ろしいのはナン・ジェイ。コンパクトに振りつつもヒットに留めようなどという温い考えが感じられない。
ガチで来てやがるな。
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