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だいたいジェノスさんって誰やねん。
能力についても他の人員についても何一つわからんかったし。
まじ使えねぇなここの人民は金は要求してくる癖によぉ。
何か軽くつまめるもん買って宿に戻るか。
「すいませーん。そのパンを1つくださ」
「少しいいかな旅人さん」
あー、やっぱ往来で露骨にやりすぎたか。
「はい、なんですか?」
「旅人さん、何やらここで聞き込みしてるみたいじゃない。あ、私こういう者なんだけど」
警護団ねぇ。使えなさそう。
「ええ、まあ。初めて訪れた場所ですし。何やら戦火の匂いがするので場合によっては直ぐに発つことになりそうですし」
「ふむ、なるほどねぇ。でもまあ旅人さんは安心していいよ。帝国が勝つに決まってるからさ。今回は厳重注意で済ましたい所だけど、まあ一応、署まで来てくれる?」
「わかりました」
なーにが勝つに決まってるだよ。前回は数秒で負けたくせに。
うーん、チャンスかもしれんね。自警団経由で潜入できんか探りますかね。
「あっ、伍長さん……げっ、捕まってるー」
「奴も神聖軍の端くれでスパルタンだ。考えもあるだろう。私たちは私たちなりの情報収集だ」
「はい、じゃあ名前は?」
「ジョンです。ジョン・タイター」
「入国許可証は今ある?」
「これです」
書類偽装もバッチリよ。
「なるほど。で?どこのスパイ?」
「は?」
「いやいや、分かってんの。鎖国してる不穏な空気漂う国に旅人がわざわざ入るかっての!オラ、拷問が嫌なら吐いちまえよ!」ドガァ!
本性出したよ汚職警官め。お前の頸椎を外すことは容易いが、まだその時じゃない。
「えぇ……(困惑)。酷くないですか?手前の町から1日半もかけて来たのに休んじゃ駄目なんですか?」
「今さら装っても意味ねぇよ!!オラ、こっち来い!嫌でも喋りたくなるようにしてやる!」
ありゃ、流石に抵抗するか?痛いの嫌やしなぁ。
「いだっ!いだい痛い!あだっ!あだだだだだ!!!」
「うるせえ!早く行け!」
「いやっ、マジで抵抗しますよ!いいんですか!?俺たぶん貴方より強い!」
「んな訳あるか!はよ行け!長官がお前の拷問を今か今かと待ってんの!」
「は?(威圧)」
「な、なんだよ」
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