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私の目線の先に、私より年上の男の人が座っていた。
一人で座っていることが、寂しげに見えることを、私は初めて客観視した。
本人はなんとも思ってなくとも、周りからはそうみられてるってことか。
ふいに、彼が振りかえる。
『もうすぐ、朝日が見れますよ。』
そう声をかけられて、自然と隣に座った。
波の音と彼の息づかいだけが、私の耳を刺激する。
『ほら、みて』
心地のいい声でその人は言った。
毎日見れるであろう何気ない景色が、今日ほど特別に感じたのは、沖縄という場所のせいなのか、隣にいる彼のせいなのか、このときの私は知るよしもなかった。
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