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そこからは四人で様々な話に華が咲いて、あっという間に時間が過ぎた。
花屋の常連さんであることや、桜と桂木さんの馴れ初め、私と桜の学生時代の話など。
さすがの私も運命があるんじゃないかと思った。
でも、私は知っている。
柳井さんには大切な人がいる。
毎月花を贈る、愛しい人が。
突然、携帯が鳴った。
ーー着信 高木渉ーー
男は周りに多いけれど、関係を持っていないのは、こいつくらいだ。
渉は唯一、心を許せる存在。
『はーい、久しぶりだね。』
『よっ、何してる?今から来いよ!友達の誕生日パーティー!俺並みのイケメンが揃ってるぜー!』
陽気な声が、今はなんだか嬉しかった。
この沈む気持ちの原因が分からないから、飲んで騒ぎたい。
そんな気分だった。
私はそそくさと3人に挨拶を済ませ、会場をあとにした。
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