恋愛って。

6/6

1人が本棚に入れています
本棚に追加
/25ページ
桜には愛してやまない人がいる。 でも私はその人を知らない。 なんでも海外を飛び回る写真家なんだそうだ。 桜にしては珍しく10歳以上上の大人な彼。 おじさんに興味ないっていってたのに、なにがよかったんだろう。 桜もまた、雑誌の編集長として忙しい毎日を送っているため、普通の女の子みたいに、さみしいとか悲しいとかそんなこと言ってる暇はないんだそう。 『あの人の前で、口をぶつけるのは時間の無駄なの。今会えてるこの時間を存分に楽しみたいの。だから、会えなくて寂しかったなんてそんなことはないのよ。私も私で毎日を必死に生きてるんだもん。』 そういいきる桜はかっこよかった。 私はどうだろう。 叔母の経営する花屋の雇われ店長で、特に大きな目標もなく日々を過ごしている。 男も、まぁそこそこいる。 好きだなぁと思ってそばにいる人もいれば、ワンナイトラブみたいのもお互い楽しめればいいと思ってる。 彼への想いを語る桜を、少し羨ましいと感じる私はやっぱり『本当の恋』ってものに、いつかは出逢えるのではないかと期待しているからなのだろうか。
/25ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加