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けれども、虚しくなってしまう。
夫はいない。その現実を直視したくない。
だから、虚構の男性を想い描いた。
いままでに経験したことのない恋愛。
考えもしなかったプレイ。
何かを探し求め霧の中を彷徨(さまよ)う。
夜の一人遊び。いつも、同じ妄想が過(よぎ)った。
亜紀が家に一人でいることを聞いた高校時代の友達、
山科友香里が、一年前に飲みに行こうと誘ってきた。
専業主婦の亜紀は一日暇。
女友達とはいえ誘われて、
久しぶりに夜を外で過ごせる。嬉しかった。
友香里は三日後の木曜日に行こう、と言ってきた。
出かけるまでの二日間が待ち遠しかった。
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