第一話 蜃気楼

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亜紀がコロナ・ビールをはじめて飲んだのは 『蜃気楼』だった。 「軽くて美味しいわよ」 そう友香里に勧められた。 「好きになりますよ。きっと」 とマスターが口にすると。 「マスターの予知は当たるのよ」 真顔の友香里が亜紀の耳元で囁いた。 亜紀はシャンパン・グラスに注がれた ビールを一口飲んだ。 「うわー、美味しい」 「ねっ、当たったでしょ。マスターの予知が」 三人が笑顔になった。 確かに、マスターが会話の中で、 気軽に口にする予想は、たびたび的中する。
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