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亜紀がコロナ・ビールをはじめて飲んだのは
『蜃気楼』だった。
「軽くて美味しいわよ」
そう友香里に勧められた。
「好きになりますよ。きっと」
とマスターが口にすると。
「マスターの予知は当たるのよ」
真顔の友香里が亜紀の耳元で囁いた。
亜紀はシャンパン・グラスに注がれた
ビールを一口飲んだ。
「うわー、美味しい」
「ねっ、当たったでしょ。マスターの予知が」
三人が笑顔になった。
確かに、マスターが会話の中で、
気軽に口にする予想は、たびたび的中する。
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