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三角のマチで囲まれた、ひざ丈のフレア・スカート。
カットソーの上にボタンダウンのシャツ。
今夜の亜紀は普段よりも大人しい。
だが大胆な隠しごとが一つある。
彼女は今夜。
ゆるやかに揺れるスカートの下には、
なにも着けていない。
日が落ちると、きらびやかになるテナントビル。
エントランスから真っすぐに伸びる階段。
安原亜紀は広がりたがるスカートを気にして。
一段一段上っていく。
後ろでボソボソと男性の話し声。
亜紀は振り返らずに進む。
覗かれてはいないだろう。
そう信じて。
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