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『欲求不満』
嫌な言葉が浮かぶ。
そうではないと強く否定出来ない。
いっそ、浮気でも。そう考えたこともあった。
でも、実行する勇気はなかった。
妖艶な気持ちになると、一人、慰めた。
ネットで買った玩具。そのスイッチを入れる。
メリハリのある振動が心地良さを与えてくれた。
右手に握り、そっと身体に当てる。
響いてくる。身体の奥までそれが届く。
何度か行って、戻すを繰り返す。
じょじょに甘い感覚が広がり。指がしなる。
呼吸にうわずる声がのってしまう。
夫の喜ぶ表情を想い描いた。
声には出さないが彼の名を呼んだ。
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