491人が本棚に入れています
本棚に追加
「菅原君?そっち、俺の部屋だよー?」
「……。」
それを無視して中に入って鍵を掛ける。何度かトントンとドアを叩く音と名前を呼ぶ声がウザくて、ドカッと中から壁を蹴ればやっと静かになりやがった。
構うことなくソイツのベッドに寝転んで、天井を見上げる。ここ暫く、学園を抜け出してホテル住まいをしていた。今までだって授業はおろか学校にさえ行かないことが殆どだった。それでも文句を言うものは誰一人いない。
つまんねぇんだよ、何もかも…。
街に出てゴロツキ相手にケンカしても、ぽっかり空いてしまった穴は塞がるどころか大きくなって…虚しいだけだと結局ココに戻って来てしまった。それがまた自分をイラつかせるのに、ココではもう俺にケンカを仕掛けてくるどころか見れば逃げ出す奴らばかりでーーー、いや…。
ついさっきまで名前も知らなかったアイツ。あのウザい顔を思い出したら勝手に口元が緩んで…、可笑しくてククッと喉が鳴る。
「スパイスも辛さもねぇ味気ないアレが、カレーな訳ねぇだろ?ヘラヘラしやがって、キメェんだよ……。」
それでも、また食ってやっても…。なんて、そんな事考えてたらいつの間にか眠っていた。
最初のコメントを投稿しよう!