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第3章 上手に友達になる方法って、あるの?
◇◇◇◇◇
あれから数日、部屋に帰れば菅原君がいる生活が続いている。そして、なぜか俺がそれを誰にも言えないでいる。勿論、謙蔵さんにも…。
「…おい、なんか食いモンねぇのかよ?」
「真っ直ぐ帰ってきちゃったから何もないよー。」
チッ、と舌打ち。これにはもう慣れた。今のは『使えねーヤツ』だねー…。
「今日は希望ある?『何でもいい』って、結構悩むんだよねー。」
チッ、の返事は『うるせー』だった。適当に買ってくると部屋を出て、コッソリため息。この事だったのかな?謙蔵さんが言ってた心配って…。
流石に、初めて会った日ほどは食べないけれど、それでも3人前をペロリとたいらげて今日も…俺の部屋ですよねー…。うん、俺の部屋に籠城してます。一回だけ、必要なもの取りに入らせてもらえたっきりで、俺は共有スペースで生活してる。テレビもソファもあるし、困ってるってほどでもないんだけど…。菅原君、どうして自分の部屋使わないんだろー?
今日も朝から通学路で絡みついて来た腕にヘラリと笑って…、みーちゃんの顔が曇る。
「英智…?なんだか疲れてる?」
「そ、かなー?そういや最近…、ゆっくり寝れてないかもー??」
「ちょっと!? 緩い顔をさらに全開にしてどうすんの?って、聞いてんの!?」
可愛くプリプリ怒ってるみーちゃんがぼんやり歪んで…、あれー…声も遠く……って何か寝ちゃいそうになっちゃって慌てて意識を覚醒させる。
「えへへ。やさしーねー…。」
ヘニャリと笑って頭を撫でれば真っ赤になったまま俺見て固まって、見回せば周りもみーちゃんと同じにフリーズ。あららー、またやっちゃったー…?
「ゴメンねぇー…、大丈夫ー?」
「だーかーらー!!その顔がダメ…、っていうかいつもより酷い!!あ、委員長ー!ちょうど良かった、英智連れてって!!!」
たまたま通りかかったクラス委員長の溝口君に俺を引き渡すとお迎えに遅れちゃう!と走って行ってしまった。
「今日は何しでかしたんだ?英智は。」
「うーん…。俺の顔、ダメみたい。そんなヒドイのー…??」
ねぇ?と溝口君を覗き込めばグッと息をのんでやっぱり真っ赤になった。なんだよみんなしてー…。涙腺までなんだか緩くなって、涙目になったら怒られた。ホント、何なのさー?
学校に行けば堀ちゃんに『いつもよりエロカワ!結婚しよ!!』と抱き付かれて、ホワホワしながらボコられる堀ちゃん見て…。
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