第2章 そもそもどこで間違えたんだろ? 

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苦笑いでも嬉しそうな顔にどうした?と聞けば、照れ笑いを誤魔化すようにコーヒーに手を伸ばしてチラッと俺を見上げてボソボソ呟く。 「俺ん家ね、結構皆仲良くていつも一緒でさ。ココ来てちょっとホームシック?っぽくなってて。でも裕ちゃんが構ってくれて、俺勝手に兄貴達みたいだなって嬉しくて…。 あ!!違うよ、裕ちゃんが担任だから面倒見てくれてるだけだって分かってるよ!でも、嬉しかったって、それだけ!もう、何言っちゃってるんだろうねー…。」 恥ずかしそうにカップを見つめたまま俯いてても、赤く染まっていく耳は隠し忘れてて…。沸き上がる想いにストップを掛けてその頭をグシャグシャとかき混ぜる。 「わぁ!?もー、何すんのさ?」 「ったく。バかな甘えたを可愛がってやってんだろ?ほら、食い終わったなら立て。その格好でココ出たら…俺にイケない指導されたって騒がれんぞ?」 ベルトを外してはみ出したシャツを入れてやりながらもコイツの嬉しそうな顔。俺がこんなにも世話焼いてやってんのが一生徒の枠から全身はみ出してんの気付いてねぇんだろーな…。 「ほーんと、裕ちゃんってば優しいねー。兄貴達にだって、ここまで甘えらんないよー。」 「あっそ。…じゃあ、コレも…甘えてくか?」 スィー、っと股間の上を指で撫で上げればビックリした顔が困り顔に変わって眉が垂れる。 「ゆーうちゃん?これじゃホントにイケないご指導になっちゃうじゃん。今は淋しく右手と仲良くしてるんだからー。勃っちゃたら…どうしてくれんのさ?」 「そしたら…俺がソッチの面倒も、みてやってもいいんだぜ?」 「ふふふ。そうやって生徒をからかうのは止めてくださーい。せっかく、少しずつ皆打ち解けてくれるようになったのに、裕ちゃんファンにまで嫌われちゃったらホントにボッチになっちゃうよー?」 「良いじゃねぇか?俺さえいれば。」 「もー、裕ちゃんが言ったんだよ。『男の嫉妬は醜い』って。」 そう言いつつもやっぱりコイツは嬉しそうに笑ってる。思えばコイツはいつでも笑ってる。多分、俺はこの笑顔が一番好きなんだと思う。じゃれながら身支度を整えてやってヨシ!とその尻を叩く。 「痛っ…。乱暴しないでよー、でもありがと。お邪魔しました」 「おー、午後もサボんなよ。」 頑張るー。なんて拳作っても緩んだ顔にそれほどのヤル気も見られず不安がよぎる。まぁ、俺の授業じゃねぇしな…。
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