第2章 そもそもどこで間違えたんだろ? 

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◇◇◇◇◇ のんびり教室に戻ればみーちゃんに捕まってボディチェックされた…。うん、どうして? 「…もうよろしいでしょーか?」 「ねぇ、何でこんなにシャツがよれてんの?ネクタイも結び直してあるし…。何よりタバコ臭い!先生ったら、生徒の前でも遠慮しないんだから!」 「そうかなぁー?だけど裕ちゃん、タバコは吸ってなかったけど…匂い移っちゃったのかな?でも、俺この匂い嫌いじゃないよー。」 スンスン腕辺りに鼻を近づける。メントールの混じった匂いは兄貴(2番目)を思い出させて、じんわりしていれば堀ちゃんの「俺も俺もー。英智の吸いたい!」に「どーぞー。」と返せば周りにボコられて。あれ、この光景どこかで…?と思ったけれどきっといつも堀ちゃんはこんな感じのポジなんだなって…。てか、俺の何を吸いたかったんだろうね。 授業を終えて、帰りは大体一人で帰ることが多い。転校早々に大失敗してしまった俺の第一印象ってのが最悪だったし、俺は俺で女の子のいないココがまるで監獄のようで…。 このまま引きこもろうかとまで…思ったもんね。 「おー、英智!今帰るとこ?今度さー、マンガ貸して。」 「いいよー。明日持ってくね。」 「エーチじゃん。暇なら入れよ、落研!!」 「もう部活入ってるからダーメ。頑張ってねー。」 すれ違った同学年の何人かが話しかけてくる。遠巻きに見ていた周りも三日もすればそれなりに話しかけてくれ始めたし、こっちだって慣れもする。勿論それには然り気無く手を回してくれた人達がいるワケだけど。 冷たい視線と聞こえるくらいの陰口だっていつの間にか気にならないほどになったし。人の噂もなんとやらだね。 「お帰り、英智君。今日は遅刻しないで出れたみたいだね。」 「謙蔵さんただいまー。今日は一時限目が裕ちゃんだったからサボれなかったー。すぐ課題だぞ!って言うんだもん。」 学校から真っ直ぐ歩いて見えてきた高級リゾートマンションみたいな建物のエントランスをくぐって、エレベーターで6階。降りてすぐの寮監室から見知った顔が手を振ってニッコリ笑う。 「あはは。石川先生も職権乱用だね。確かに俺も朝から英智君に会えたら、嬉しいからね。はい、コレあげる。」 「あ、コレって購買の限定塩大福!覚えててくれたんだ!ありがと謙蔵さん、大好きー!」 小さなカウンター越しに身を乗り出して抱きつけば困った子だねと苦笑いされる。
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