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「そこで我々は、足りない兵士を補強する為に、戦闘ロボットの開発に取り組んでいる。まぁ、これも皆さんはご存知だろう。公にはしていないが、これはもはや世界中の知るところだ」
「ええ、確かにそうですが……」
「そしてその性能も年々進化し、台数もかなり量産はしているのだが、それでもロシアや中国と互角に渡り合うには、まだまだの質と量だ」
吉池はいったん背をのけ反らせ、腕組みをする。
「さらに我が国には資源がない。戦闘ロボットに関する材料などは、そのほとんどをアメリカをはじめとする諸外国からの輸入に頼っているのが現状だが、このままいけば、我が国に戦闘ロボットの材料を輸出してくれる国はなくなるだろう」
「ええ、まぁ、それはそうですね」
林田が頷いた。
「林田くん。君はマダム瑞希という女性を知っているかね?」
「え? い、いえ、存じ上げておりませんが……」
「実はねぇ、我々はついにマダム瑞希を見つけたのだよ」
吉池がニヤリと微笑んだけど、林田はマダム瑞希という名前を初めて聞いたので、まったく何のことだか分からなかった。
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