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「あの……総理? そのマダム瑞希と言うのは……?」
「マダム瑞希というのは、ある力を手に入れた女性の事だ」
「ある力……ですか?」
「ああ、そうだ。林田くん。君は自分の脳ミソの何%を使って生きているのかね?」
「は? 脳ミソですか?」
「クッ、クッ、クッ、まぁ君なんかじゃ、せいぜい2%くらいじゃないのか?」
吉池はニヤニヤ笑う。
「いや、あの総理?」
「人間ってヤツはねぇ林田くん。せいぜい10%くらいしか脳ミソを使ってないらしい。ところがマダム瑞希は50%も使えるらしいんだよ」
「あの、それはどういう……?」
「いいかね林田くん。人間が脳を覚醒させて、100%の力が使えたらどうなると思う?」
「いえ、私には想像も……」
普段は代議士面してふんぞり返っている林田が、まるで借りてきた猫のようだった。
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