3人が本棚に入れています
本棚に追加
「ほぅ、さすがは立花先生。日本で最も名のある脳科学者ですねぇ」
吉池が目を細める。
「どういうことですかな?」
林田は立花には強めの口調で聞いた。
「脳を100%覚醒させた人間を生物兵器として使おうということでしょう」
「その通り」
吉池がすかさず頷く。
「しかしどうやって?」
立花は興味をひかれたらしく、少し身を乗り出した。
「マダム瑞希にご協力頂いてね、色々と調べさせてもらったのさ。まぁもっとも彼女は非協力的だったが、諜報部が彼女の弱みを見つけてくれてねぇ。その結果、ある物質が長期間与えられる環境にいたことが彼女の覚醒の原因であることが分かったのだ」
「と、言うことは、我々も脳を100%使えるようになるんですかな?」
林田も身を乗り出す。
「私もそうなりたいのだが、残念ながら林田くん。我々には無理なのだよ」
吉池は首を左右に振った。
最初のコメントを投稿しよう!