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そう言い切るとオウスケはハハと笑い声を上げた。俺の口元のクマの絆創膏を一瞥したけれど、それはオウスケの中でなかったことになったみたいだ。無視された。
「で、状況は?」
そう訊ねると、オウスケは真面目な顔つきに戻る。
「お前に下っ端を病院送りにされたKIDの頭がキレて、菊間(きくま)を拉致った。菊間と一緒にいた奴が、あいつらを振り切って逃げてきて、俺に報告してきたってワケさ」
菊間は最近、雷音に入ってきた1年だった。イジメられっ子だった過去を持ち、「強くなりたい」と雷音の頭であるオウスケに弟子入りを志願してきた。
見た目ひょろくて弱そう(実際に弱いけど)だけど、オウスケが言うには「いい目をしている」と一目置いている奴だった。
「菊間が捕まったか・・・」そう呟いて、奥の倉庫を見る。
「で、(倉庫の)中には何人いるの?」
「俺が見る限りじゃ、10人弱って言ったところか」
オウスケが答える。倉庫の1つを指差した。
「あのシャッターが開いたら、一気に乗り込むぞ」
「応援は?」
「1年が2人、後ろの方で見張ってる。大丈夫だろ?俺とお前がいりゃさ」
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