河内のペルセウス

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ダメな男にスカッと喝を入れる。 でも、 本当は情が厚い河内の女… おっちょこちょいでお調子者、 オモロければ全てよし、 ええかっこしいの河内の男… なんかかんやで面白く生きてるのが河内の国。 「おい、お茶!」 「あんた何偉そうに言うてんの!」 「ええからさっさと入れてくれや!」 黙ってお茶を入れるおかん。 「光男… お母ちゃんには夢があんねん。 お父ちゃんが寝たきりになった時な、 手が届きそうで届かんとこにお茶置くねん。 でな、ずっとにこにこ笑(わろ)とってやろう思うねん。 楽しそうやろ?」 あきらかにおとんに聞こえるようにいうおかん。 楽しそうに言うのが、 ウソと分かってても、 おとんを黙らせるには十分だ。 こんな会話が日常茶飯事なうちの家。 でも、 不思議なんは小言を言いながらおとんに従順なおかんと、 尻に敷かれてそうやのに偉そうなおとん。 子供の立場から見ると、 親が仲がええのか悪いんか、 ようわからん。 いつか俺もそんな家庭を築くんやろうか… そんな家庭で育った俺は、 26歳町工場の工員。 東大阪の町工場は、 人工衛星も作れる職人集団。 どんな難しいもんでも、 頼まれたらやってのける。 義理と人情に厚い河内の男は、 頼られたらNOとはなかなか言わんもんや。
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