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と言いながら、
ぱらぱらと手のひらから零れる俺の自毛…
ヴ~っ…
どんだけ本気で引っ張ってんねん。
痛いやないか…
痛がる俺を尻目に、
田中と夢ちゃんが爆笑している。
「待ってって言うたやん!
痛たたたぁ…」
「光男がしょうもない嘘つくからやん。」
と、得意気に夢ちゃんが言って、
田中と目を合わせ、
また笑っている。
「ご、ごめんなさい…
痛い?」
と言って頭を撫でてくれている由美ちゃんがいて、
それを見て田中と夢ちゃんがニタニタ…
「あぁ、大丈夫大丈夫。
こんなんすぐ収まるから!」
と言って、
にかっと由美ちゃんに笑って見せた。
そんな出会いをした俺たちは仲良くなるのに時間は必要なかった。
そして、
店を出る頃には…
由美、光男と呼び合うようになっていた。
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