河内のペルセウス

6/15
前へ
/15ページ
次へ
と言いながら、 ぱらぱらと手のひらから零れる俺の自毛… ヴ~っ… どんだけ本気で引っ張ってんねん。 痛いやないか… 痛がる俺を尻目に、 田中と夢ちゃんが爆笑している。 「待ってって言うたやん! 痛たたたぁ…」 「光男がしょうもない嘘つくからやん。」 と、得意気に夢ちゃんが言って、 田中と目を合わせ、 また笑っている。 「ご、ごめんなさい… 痛い?」 と言って頭を撫でてくれている由美ちゃんがいて、 それを見て田中と夢ちゃんがニタニタ… 「あぁ、大丈夫大丈夫。 こんなんすぐ収まるから!」 と言って、 にかっと由美ちゃんに笑って見せた。 そんな出会いをした俺たちは仲良くなるのに時間は必要なかった。 そして、 店を出る頃には… 由美、光男と呼び合うようになっていた。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加