日常

8/10
前へ
/20ページ
次へ
自分もお風呂に行こうかな…と思った瑠華だが、背後から誰かの気配がした。 「瑠華…貴女の答えは?」 凛とした声が問いかける。 振り返ると18歳ほどの少女が、翡翠の瞳が、正面から瑠華を見つめていた。 少女は瑠華の返答を待つように何も言わない。 お互いに何も言わず、数分が過ぎた頃、瑠華がポツリと呟いた。 「…本当は…来てほしくはなかったんだけどね…」 窓から覗く丸い月は紅く染まっていた。 「…昇ってしまったものは仕方ない…か。"証"を連れ出さないと」 「分かった。…でもその"証"に覚悟はあるかしら?」
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加