月下舞踏

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「今は"ある場所"に向かっているの。少し遠いから早く出ただけのことよ。」 2人は休憩と称して、輝螺から話を訊くことにした。 "ある場所"…そこへの到達が目的だと付け加える。 「"ある場所"はね…隣町にある"神社(カミヤシロ)"よ。」 その名前を訊いた2人は 「え゙っ!?」 と声を揃える。 2人は瞬間的に瑠華を見るが、苦笑いしながら頬を掻いていた。 神社まで3、40kmはあるため、2人が驚くのも無理はなかった。 「だから言わなかったのよ?」 輝螺はそう言い、休憩の終わりを告げて走り出す。 沙耶が「もう少しの辛抱ですよ」と宥めて漸く由良が走り出す。 「やっと由良さんも行きましたね。…瑠華さん?険しい顔をしてどうしたのです?」 3人の後ろを見ていた瑠華に沙耶が声を掛ける。
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