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(…困ったなぁ)
先ほど掛かって来た、着信を見ていた赤髪の少女が苦笑いする。
着信の相手は、同じ高校に通う2人の少女たち。
再度着信を告げるようにメロディが流れている。
肩まであるウェーブのかかった赤髪の少女―相麻瑠華は渋々出た。
「さっさと出なさいよ、バカ瑠華」
第一声にバカ呼びした少女だが、特に怒ってはいないようだった。
その横から忍び笑い声が聞こえる。
「パーティをするので瑠華さんも来て下さいよね?……の家に」
最後の方は"誰かの家"しか聞こえなかったが、瑠華は苦笑いしながら了承する。
(今日は少し寒いからお鍋…かな?なら、急ぐとしましょうか)
と思いつつ2人の待つ家へと向かう。
ふと見上げた冬の空は紅く染まっていた。
「確か今日は満月…だったね。3人でお月見しよっと♪」
瑠華は近くのスーパーへ寄り道を決めたのだった。
瑠華は"今日は満月"の時点で気付くべきだった…
終焉(オワリ)の足音が近づいていることに…
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