第7章

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――生物部動物科と植物科、サバイバルゲーム部、工作部が旧校舎に来ていて。 こんなに多くの人がいるなんて珍しくて、騒がしくて。 けれど、夏の日差しの下で、私は少し、変わっていった――  私は今、旧校舎の前にいる。 部室から持ってきた長机と椅子、その上に日差しよけのパラソルが影を作っていて。 部室ではないけれど、初めてこの旧校舎の敷地内で本を開いている。 読書ではないのが惜しいところだ。 図書部の批評記録に何度目かの駄目出しを貰ってしまい、考え直しているのである。 それにもう一つ、私にはやらなければならない係があって。 「メディーック!」  私を呼ぶ声がする。 メディックとは医療係の事だ。 「蝶野さーん! 金城、ヒットでーす!」 「は、はーい!」  サバイバルゲーム部は今、五対五のゲーム中で、ヒットした人を記す人が居ないとの事で手伝っているのだ。
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