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「弘樹、おはよう」
佳乃がやって来た弘樹に笑顔で言う。
佳乃は可愛らしい容姿で、目もパッチリとしていて、女子より女子力の高い女子に見える男子である。
年上のお姉さま方に人気が特に高いが、同級生からもマスコットとして人気がある。
「よぉー弘樹。今日も眠そうだな」
拓人が弘樹の頭を乱暴に掻き回して言った。
拓人は茶髪に近い金髪に染めている為、ちゃらく見えるが、スポーツマンでときどき部活の助っ人として駆り出されることがある。
男前な美形で全校生徒の女子に知らない人はいない。
「はよ」
簡潔に述べて二人に弘樹は挨拶して、頭上の拓人の手を払い除けた。
「弘樹ママって、まだ俺たちのこと『ちゃん』付けで呼んでんのかよー。流石にこの歳になって恥ずかしいわ」
「僕は良いけどねー。可愛いじゃん」
「俺は恥ずいわー」
「俺だって恥ずかしい。でも母さん、言っても聞いてくれない」
拓人に弘樹が返した。
三人は揃って、そのまま横に並んで学校へ歩いていった。
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