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学校に着いて教室を開けると、三人はクラスメイトに挨拶をする。
「おはよー! 仲良し三人組!」
クラスメイトの男子が三人に抱きつくように飛び込んで、言った。
「きゃあー! 三人共、こっち見てー!」
女子の悲鳴のような高い声が、朝の三人を迎える。三人が女子の声に振り向けば、更に歓声が湧き出す。
三人は美形で幼馴染み。常に行動は一緒。何をするにも一緒。
だからクラスメイトだけでなく、全校生徒から人気が高い。三人を知らない生徒など存在しない。
「きゃあああああ!」
「ちょっ、俺もいるんだけど!」
「あんたはどきなさいよ! 三人が見えないでしょ!」
三人に朝一で挨拶を交わした男子が、歓声を出す女子たちの中から一人の女子が怒る。
「酷ぇ!」
「諦めろ。いつものことだろう」
「ぐっ!」
やって来た別の男子が肩を組み、落ち込んだ男子と一緒に自分の席へ戻った。
弘樹はクラスメイトたちに呆れたように溜息を吐き、拓人と佳乃は苦笑を漏らした。
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