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可愛らしい女子は弘樹に抱きついて、体に擦りをする。やがて、弘樹の腕に女子が自分の腕を絡ませると、目前にいる女子に向かい合った。
「だ~れ~?」
「あ、あなたこそ誰よ!」
「私は、ヒロくんの彼女だよ~!」
「そ、そんなっ!」
とうとう溜まっていた涙が落ちて、告白してきた女子は泣きながらその場を去った。
弘樹の腕に抱きついている女子は下から弘樹を見上げた。上目使いになっているのは、本人が故意にしているのだと弘樹は理解している。
「助かったでしょー?」
「うん、しつこかったから。てか、その格好何?」
「似合うでしょー!」
「似合い過ぎ。全く違和感ないよ、佳乃」
そう弘樹が、呆れ半分驚愕半分で言うと、女子の制服を着ている佳乃は、ふふふと笑う。
「拓人はどうしたの?」
「部活の助っ人でいないよー。だからさ……」
佳乃は再び上目使いをして言った。それは、先程とは比べものならないくらいの妖艷な表情だ。
間を空けて佳乃は続けた。
「僕と楽しいことしよっか」
佳乃は弘樹の唇に自分の唇を重ねた。それはどんどんレベルアップしていき、お互いが舌を絡ませ合う。
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