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体育館裏に卑猥な水音が響く。
「はっ……ぁ、ん」
「は、ん」
弘樹と佳乃の舌が口内で犯し合う。誰もいないのを良いことに二人の行為はエスカレートしていく。
どれくらい続いたのか、不意に聞き覚えの声がする。だが、佳乃は弘樹に対して行為を止めようとはしなかった。唯一、弘樹だけは我に返った。
「よし、のっ……もう口外せ! ぁん」
「今更でしょ」
「あ、あ、あ……ああああんっ」
完全に限界点を超え、白濁を吐き出した弘樹を見て佳乃は笑みを浮かべた。同時に聞き覚えのある声の主が顔を出した。
「二人だけで盛り上がってんなー! 俺も呼べよ」
「部活の助っ人だったんでしょ? お先に味見しちゃった」
そう言って、立ち上がり佳乃は口元についた弘樹の白濁を舐め取った。それを見た弘樹は顔を真っ赤に染める。
「ホント、ずりぃ」
代わりにと拓人は二人を抱き締めた。そして、二人の顔の間から自分の顔を出して、二人の耳元に囁いた。
「じゃあ、三人で気持ちいいことしようぜ?」
余韻を残す弘樹には拓人の甘い声が、背筋に強い痺れが走る。
「ぁ……」
弘樹の漏らした声は甘い吐息に紛れる。
佳乃は拓人の言葉に嬉しそうに微笑した。
「『初めてのとき』と同じセリフだね。弘樹も同じ表情してる。ふふふ」
「してやったり。ってことで俺ん家行くぞ!」
余韻に浸る弘樹を立たせて、腕を引く。加えて佳乃の腕も引っ張り拓人は元気良くその場を去った。
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