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「ラーは聞いたことがあるけど、オシリスって?」
「オシリスとはペガスス座の惑星の名で北極星のことではないのですが、古代エジプト神話においては『冥界の王』のことを指し星信仰の神とされていた為、星信仰の総称とされてました。
太陽信仰『ラー』は元々エジプトに古くから根付いた民族宗教であり、『オシリス』はメソポタミアがもたらした外国宗教だったわけです。
勿論、地元の民族宗教である『ラー』の権力は絶大でしたが『オシリス』には高度な技術という武器がありました」
話にイマイチついていけず小首を傾げる私の横で、雄太は老人の話にすっかり魅せられている様子で、
「高度な技術って、どんな?」
と身を乗り出した。
「『オシリス』の技術の最たるものはピラミッドです。それ以外にも飛行機、軍事機器、海を渡り空をも飛ぶ船……ある面においては現代よりも遥かに高度な技術を持っていたのです。そしてその技術は『オシリス』のみに伝えられる門外不出の技術だったわけです」
「……信じられない」
そう漏らすと、老人はゆっくりと手を組み合わせて視線を合わせた。
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