第一章 ナイルの川岸で
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空にはネフェルの帰国を祝う飛行船が飛んで上空から薔薇の花びらを巻き散らし、日中にも関わらず花火の音が鳴り響く。 帰還祭に向けて浮かれる町の様子を見ながら、鍛冶屋の娘・イシスは、はたおりをする手を止め、 呆れた、と頬杖をついた。 ――王子が帰って来るからといって、何をそんなに浮かれる必要があるんだろう? 町の喧騒などどこ吹く風とばかりに息をつき、再び手を動かした。
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