第一章 ナイルの川岸で

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「何を言ってるのよ、見初められた王妃様になれるかもしれないのよ?」 信じられない、と鼻息を荒くする友人達。 イシスは自分と彼女達との温度差の違いに思わず笑った。 「ごめんなさい。 私、一夫多妻制の上流階級に興味はないの。結婚するなら例え裕福じゃなくても、私だけを愛してくれる人のところにお嫁に行きたい」 そう言って大きな蒼い瞳を輝かせると、友人達は呆れたように顔を見合わせた。 「それはそうと帰還祭には行きましょうよ」 「そうよ、楽しいわよ」 「噂によると、ネフェル様は新型の『空飛ぶ船』で帰国されるそうよ」 友人達の言葉にイシスは、どうしようかな、上を向いた後、 「洗濯が溜まっているから、早く終わったら行くわ」 と簡単に答えた。 友人達はまた呆れたように顔を見合わせ「絶対よ」と念を押し、立ち去って行った。
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