第一章 ナイルの川岸で

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首都メンフィスは町の中央に『メンフィス広場』と呼ばれる大きな円形の広場があり、 そこから放射状に道が広がり分かれていた。 北に進むと王室の宮殿に辿り着き、東は神殿、西と南が住宅街だった。 イシスは宅街から『メンフィス広場』に出て、北道の先に見える光り輝く王宮を眺め眩しさに目を細めた。 エジプト宮殿は一見神殿のような佇まいを見せているが、 神殿にはない絢爛豪華な様がエジプトの豊かさを象徴していた。 白い塔門には惜しげもなく黄金が使われ、建ち並ぶ石柱には精巧な彫刻が施され、宮殿そのものが巨大な美術品のようだ。
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