第一章 ナイルの川岸で

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「今、町の者は皆、帰還祭の為に『神々の広場』に集まっているというのに君はどうして行かないんだい?」 「帰還祭なんて特に興味ないのよ。 王子様が帰って来たところで私には何の関係もないし。それより早く返して」 「……ネフェルの帰国はともかく、新型の空飛ぶ船は見たくないのかい?」 「興味はあるけど、今ある空飛ぶ船よりも凄いものが見られるとは思わないわ」 「今や、『オシリス』の技術は常識を覆すよ」 その言葉にイシスは呆れたように息をつき、腰に手を当てた。 「……このご時世、大きな声で『オシリス』を称えるのは危険よ」
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