第一章 ナイルの川岸で

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「…………」 その瞬間、イシスは彼の腹部にドスッと拳を叩きつけ、不意を突かれて「ぐっ」と蹲る彼から、平然と下着を奪い返した。 「……いい、パンチだね」 腹部を抑えながら苦しげに漏らす彼に、イシスは、 「ありがとう、それじゃあ」 と冷ややかな笑みを見せ、背を向けた。 彼は颯爽と立ち去るイシスの後ろ姿を見ながら、 「あんな子はじめてだ」 と楽しそうに笑い、「あっ、痛っ」と、また腹部を抑えた。
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