5035人が本棚に入れています
本棚に追加
イシスは『やれやれ』と息をつきつつ無理やり手渡されたドレスを着て、唇に紅をさした。
「化粧って口紅しかつけないからね」
そう言いながら部屋から出て来たイシスに、両親は目を見開いた。
光沢のある玉虫色シルクのドレスに艶やかな黒髪、キラキラと輝く大きな蒼い瞳を見て、父は感激したように、
「私の娘は、なんて美しいんだろう」
とイシスを抱き締め、母はいそいそと首にサファイアのネックレスをかけた。
最初のコメントを投稿しよう!