夏の終わりに

　いつの間にか
　手を強く握りしめていた。

　手のひらには深々と
　爪の跡が残っている。

　これと同じ光景を
　見たことがあった。

　どこで──

　そう、

　トオルの死を知った

　その日にだ。

　あの時

　私は後悔したはずだ。

　もしも
　一緒に買い物に行っていたら？

　どうして
　部活を優先してしまったの？

　──と。

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